資料による個人の見解は、書物によって真逆の立場を取ることもしばしばで、それをどう消化し活用するかという点に煩悶する所ではあります。
ビスティッチの『列伝』も然り、クルーラスの著作然り、コジモやロレンツォに関する大まかな捉え方は共通していても、やはり個々の感情や好みの差なのだろうと思う部分が見えてきます。
ビスティッチの場合、同時代に生きた人であった上、商売がら多くの文化教養人との親交も深く、フィレンツェの政変に巻き込まれ不遇不運を被ったと思われる人々への同情が強かった反面、そういった事の庇護者であった筈のコジモに対しては、存外冷静な目を持って見ていた風があるのです。
興味深い事ではありますが、他の書籍ではことごとくコジモの友人として扱われていたこの彼の書きしるした物を見るにつけ、どの様な思いを抱いていたのかを考えると酷く悩まされます。
パッラ・ストロッツィの項目を読むにつけ、その温度差があまりに歴然と分かるため、その後起こるメディチ家の災厄をどのような思いで眺めていたのか、恐ろしくもありますが知りたい所ではあります。
それにしても。
パッラ・ストロッツィがビスティッチの記した通りの人物であるとしたら、妬み嫉みはなんと恐ろしいものか。
彼自身、晩年は学術研究に没頭していたにも関わらず、フィレンツェの人間は彼の帰還を許しませんでした。
それは彼の人望に対する恐怖。
ストロッツィが戻る事によって、自らの立場が市民に支持されなくなるのではという疑念。
羨望と嫉妬は紙一重よりも薄い膜しか持たぬ、心の弱さのあらわれだという事に気付かぬ人々。
そして恐れ戦く人々は徒党を組み、罪なき人が罪を負わされる。
ビスティッチもストロッツィの事では、かなり感情的な文を書き連ねているので、よほど悔しかったのではと思われます。
自由に飛べた翼に傷を付けられた心
折れた翼に執着するか
飛べぬ世界を新たな住処として見据えるか
常に前を向いていればやがて新たな羽が生まれる
そう、在れるように。
詩人の自由と同様、物書きにも絵描きにも、ずっと続く自由あれかし。
14日で終わってしまうウフィツィ美術館の自画像展に行ってきました。
土日の美術館は死亡確定なので、金曜日に有給使ってやっとこさ。
終了間際だったこともあって、チケットも安くなっててちょっとお得でした。
久々絵を観て、色々楽しかったです。
毎度思う事。一度エッグテンペラやってみたいです。
木の板にテンペラを塗り込めた時の色気がたまらなく好きです。
そのうち何かの本で表紙にそれらしい絵でも描いてみようかと計画中です。
拍手コメ等ありがとうございます。
蓋の下に、お礼をば。
寒い季節となりました。
そして愛飲しているお茶が切れました。
修羅場中には大変世話になる代物なので買いに行かなくては。
ルイボス茶は体を温めてくれる効果もあるとの事で、以前立ち寄ったマッサージ屋でも勧められました。
以来お気に入り。
新しい資料を見つけました。
コジモの友人であり、ロレンツォともそこそれなりの付き合いが続いていた書籍商ビスティッチの記した、当時の人物伝です。
原著は色々な人物に触れている様ですが、日本語に翻訳されたのはその一部らしく、調べた限りではロレンツォの事は翻訳されていないのか触れられていないのか・・・
それでもコジモ・デ・メディチの名前が見えたので、買う事にしました。
他にビスティッチ自身が付き合いのあった人間について記録をしている物なので、当時の人物を知る上では至極興味深いものです。
発送の連絡が来たので、届くのが待ち遠しい。
サイト、ブログ共に拍手ありがとうございます。
印刷所も決まりました。
久し振りの直接入稿になりましたが、使い慣れている印刷所さんなので色々相談しつつやってこようとおもいます。
体を休める為に入れておいた11月の有給は多分間違い無く原稿で終わるw
焦らずに済みそうなので、まったりと頑張ります。
昨日、落ちたとご報告した冬コミですが、急遽委託のお話を頂き、新刊を出すことになりました。
拍手ありがとうございます。
体を休めるなんて言っていましたが、半分修羅場突入です。
とはいえ、一冊に絞る事になったので無理はしないようにがんばります。
詳細他、メッセージへのレス等蓋の下へ。
サークル.msの検索通知システムに登録していたので、お仕事終了間際にメールがブーンとやってきました。
で、今回は落選しました。
残念!
拍手ありがとうございます。
押して頂いたのに運が無く、冬は不参加となりました事済みません。
とはいえ友人も参加することですし、アサクリの本を買いたい事もあるので一般では行くつもりです。
少しイベント参加予定を変更しようと思っています。